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Thursday, September 9, 2010

サラリーマン再起動

高名な経営コンサルタントである大前研一氏の著書に「サラリーマン再起動マニュアル」というのがあります。中身は読んでないのですが(私サラリーマンじゃないですから)、このタイトルを「おもしろいなぁ」と感じたので書きます。

この本を書店に並べて手にとってもらうためには、ターゲット読者が一瞥した瞬間に「おっ?何だ?」と思わせなければなりません。これは「多くの人」が自らを「サラリーマン」だと自己認識している、という事を前提に題がつけられています。著者が著者ですから「出世」を希望するサラリーマンが対象でしょうが、営業マンも経理マンも技術者もサラリーマンですから、「サラリーマン」を対象にすると一般論と心構えくらいしか書けないはずです。にもかかわらず、「おっ?」と思わせるネタが「サラリーマン」という単語だというのは、いかに多くの人が「サラリーマン」という身分ありきで生きているのか、という事です。

例えば営業マン。米国ならトップ営業マンは独立してセールス・レップ(フルコミッションの営業)になったり、自ら販売会社を作ってしまったり、或いは営業コンサルの会社を作ったりするようです。「営業」というキャリアを「サラリーマン」の枠の中では捉えてない。でも、日本人で「将来は販売会社を作って営業で独立するんだ」という意識で働いている人はごく少数です。「営業課長」になって「営業部長」になって、社内政治に打ち勝って社長に、と考えてしまうのです。

「サラリーマン再起動マニュアル」は、もしかしたらその点でいい本(よくマーケティングされてタイトルがつけられている、という意味)かも知れません。独立起業するような根性はないけど出世したい「サラリーマン」が読者ターゲットで、日本人サラリーマンの多くが対象になるはずだからです。なんかちょっと寂しいですけどね。

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