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Sunday, May 13, 2012

世界はフラット化する

フラット化する世界、という本があるそうで。立ち読みの斜め読みなのですが、基本的に同じアイデアを1996~97年頃に持っていました。それは、「エントロピーの法則」という本から得たイメージでした。

頭の中でこう考えてみたのです。国境というものがなくなって、全部の国が日本で言う都道府県やアメリカで言う州(ちょっと違いますが)になったらどうなるだろう、って。当時、「ボーダレス」なんて言葉が流行っていましたから、本当にボーダレスになったら、って考えてみたのです。

そうすると、結局、韓国も中国もベトナムもアメリカも国内ですから、サプライチェーンがグローバルレベルで最適化されます。この結果は明らかで、要するに、グローバルレベルでのオペレーションを「動かす側」になるか、或いは「動かされる側」になるかで、大きな差がつく、ということです。格差が拡大してしまうのです。

例えば、マッ○でハンバーガーを売る仕事は、某国(所得水準が日本の1/5とか1/10の国のひとつを思い浮かべてください)でやっても、日本でやっても必要な技能に大差ありません。国境の障壁がないのですから、東京のマッ○は某国人のスタッフを雇った方が安く店を運営できます。時給の高い日本人を雇う必要がない。ところが、日本人だからといって高度な仕事をするスキルがあるとも限らないし、某国人だからと言って仕事のスキルが劣る訳でもない。結果として、日本人の中には某国人よりも低い時給で働き、某国人の部下となって働く人が出てくる。一方で、医師や弁護士、経営コンサルタント、グローバルクラスのビジネスマンなどは、ある一定のスキルと経験を持つ事を条件に、その地位を維持できます。簡単に取って代わる事ができない仕事で、そのスキルを持った人に希少価値があるからです(ただし同業内の格差は大きくなるかもしれませんね)。結局、先進国ではスキルを必要としない労働の価値が大きく下落してしまい、逆にスキルが必要とされる仕事との格差が相対的に大きくなってしまう。逆に発展途上国では、労働の持つ価値が多少上がる事になります。給料が安いとすぐに他の土地に移ってしまうからです。

これが世界がフラット化するメカニズムだと考えました。で危機感を持った訳です。「このまま、何となく働いていたんじゃ、自分の価値が下落する」と。

当時の同僚に少し話してみたんですが、誰も取り合ってくれませんでした。でも、私個人はこの確信を持って外資に転職したのです。グローバルなオペレーションを経験したかったから。同僚たちは「大変だよ」「安定してない」という理由で反対でした。

それが15年前の話。当時もっと早くボーダレスの時代がくるかと思ったけど、実際には予想よりも歩みは遅いです。でもね、確実に進んでいる。コールセンター業務は大連に移っているし、ソフトウェア開発は中国だし。製造業の工場も海外移転が進んでいますね。今はまだ多くの場面で日本人は「先生」でしょう。しかし、徐々にそれも変わると思います。。教えられるものがなくなってしまうから。またFTAだのTPPだのと、ボーダレス化を加速するような話も増えていますし。

グローバル・ボーダレス経済下で生き残るのは、そう容易ではないです。しかしながら、商売の原則は国によって大きな違いはないと思います。言葉を操るってのは基本としてあるとしても、少し前に流行った「異文化コミュニケーション」ができないといけないでしょう。異なる文化的な背景を持った人を相手に話す、というのは実は難しい事です。特に同じ会社に長く勤めて、安定した環境にいる人(伝統的な日本企業にいる人)は「あうん」で黙示的なコミュニケーションを行う癖がついていて、明示的なコミュニケーションが苦手です。正直言って、その面で優秀な人は日本企業ではあまり見た事がないです。でも、そうでないと生き残っていけないでしょうね。

ボーダレス時代で生き残るのは、いくつかパターンがあると思います。
1)その「地域スペシャリスト」になる
日本なら、ある分野の「日本のプロ」になって、海外とつなぐ仕事をする。例えば、外資系企業の日本支社とかですね。
2)世界に日本をアピールしていく仕事をする
#1と逆に、日本企業に取っての海外市場の専門家になる。
3)普遍的な価値を持つスペシャリストになる
医師や弁護士など、どの地域でも社会的な地位が高いとされる職に就く。ただ、プラスアルファがないと行けないですね。で、これも、#1と#2があると思います。
4)ニッポンを売り物にした仕事をする
日本の伝統工芸や芸能、文化などを極めて、それで食べる。

こんな感じで、実際にはこの2つ以上の要素を併せ持ち、かつ、これを「プラスアルファ」として持っている事が重要です。この能力がコアではない。コアの能力のプラスアルファとして持つ事ですね。でも、この条件に当てはまる人って、何パーセントくらいになるんでしょうか。 1割いるか、いないか、ではないかと思います。

いずれにしても、一番ヤバイのは、日本の会社に長く勤めてながら、保身にあけくれる会社員です。会社自身がヤバイ状況だと言うことをもう少し理解した方がいい。自覚はないと思うけど、多くの会社員は平和ボケしていると感じることが多いです。



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