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Sunday, May 7, 2017

スポ根な人たち

スポ根な人たち、というのがいる。どこにでもいるのだが、学校だとやはり体育教師、会社だと営業マンのイメージがある。

個人的には勘弁願いたい種類の人たちだ。私は「無駄に頑張る」のが嫌いなタチだからだ。

スポーツや武道など何か「手に技」を身に付けるには、繰り返しの練習が必要だし、その意味では「根性」がないと続かない、という面も確かにあって、根性が必要な場合もあることは否定しない。繰り返しの訓練は苦痛を伴うので、根性入れないと挫折してしまいやすいからだ。そして、ある時、それまで鍛えた要素が結びついて、ぱっと世界が広がるような、ワンランクアップしたような臨界点を迎える事がある、という事も否定しない。

しかし、手段と目的を違えてはいけない。目的は技の習得やその維持向上なのだから、キチンとした正しい方法・メソッドで行わなければならない(細かい教授技法ではなく、方向性、などのレベルで)。ところが、そのようなレベルの指導者がおいそれとはいないので、「選手としてそこそこ実績を上げた人」が指導する事になる。コレが問題で、たとえ優れた指導者の下で実績を上げた選手、であっても指導者として優れているとは限らない。指導者の深謀遠慮を露とも知らずに、敷かれたレールの上で「頑張った」記憶しかないと、「頑張った」=「成功した」という成功体験にすり替わってしまっているので、生徒や後輩にも(闇雲に)「頑張る事」を強いるのだ。「体育会脳」などと揶揄されるのは、スポーツ経験者の多くが「頑張って成功した」という経験しかなく(正確には、記憶になく)、そういう人たちが社会でひたすら「根性入れろ」「頑張りが足りない」「努力しろ」と声高に主張し、他の人にも強いるからだ。これを「裸足の美学」と言った人がいるが、うまく表現したモノだと思う。

精神力を使うのは「ここ一番」にとっておくべきで、普段から精神力全開では持たないだろう。

しかし、スポ根は幅を利かしていて、ちっとも減らない。日本人は何でも「頑張る事」が好きなのかも知れない。

なお、一点だけ補足したい。意外かもしれないが、私は松岡修造さんのファンだ。以前はこのスポ根系のムダアツな人だと思っていた。が、あるテレビ番組で指導しているシーンを見て考えが変わった。この人は、必要な根性をキチンと計算して使っている。無駄に頑張らせるのでは決してない。それを見て取ってから、ファンになった。スゴイ人だと思う。






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