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Sunday, May 11, 2014

残業代ゼロ法案について

東京新聞の記事

個人的には総論賛成だけれども、実のところ適切に運営するのは難しいだろうな、と思う。
  • 残業代をゼロにする、ということは、「この仕事ができていればOK」という範囲を労使で合意しないと行けない。本人の承諾なしに仕事を与えると、無制限に過重労働となるからだ。
  • そして、そのためにはジョブディスクリプションが明確であり、かつ、労使とも記述されたジョブディスクリプションを見て、仕事の量や質が判断し、議論できる必要がある。つまり、その仕事に通じていなければならない。
  • そして、その合意を形成する際に報酬も決定できなければならない。「この責任を負わせるなら、このくらいいただきたい」と言え、また、「よしわかった」と言えなければなりません。
こう書くと、これらは日本の労働慣行をかなりいじらないとできないことが分かります。
  •  そもそも、日本の組織は役割分担がグレーで、できる人ができない人をカバーするのが常識になっている。これをちゃんと評価しないと、不満が表面化しやすい。
  • 日本の会社は定期異動などでローテーションするのが当然であり、「ある業務のプロ」ではないケースが多い。従ってジョブディスクリプションを正しく設定することもできなければ、評価することも議論することもできない。
  • 日本の会社の昇給昇格は、年次+査定を加味し、本社で一括して行われます。現場に人事権はありませんが、これは現場にある程度裁量がないとできません。
そう考えると、日本の会社にこの「残業ゼロ制度」を持ってきても、うまく機能するとはとても思えないです。むしろ、単に、業務の担当者が「みなし管理職」のようになるだけですね。





Monday, May 5, 2014

ニューヨークに行ってみた



出張でニューヨークに行ってきました。行動はいつもと同じ(笑。
ちなみに、「ほぼ初めて」です。10年以上前に出張で来たのですが、上司のお供でしたし、旅程は全部上司に「ただ同行しただけ」なので、全然覚えてない。ま、今回は一人ですし、初めてと言っていいですね。

0. ANAラウンジ
成田空港第一ターミナルの左手の2階(正確にはもっと上でしょうけど、ロビーフロアの一つ上)にANAラウンジがありました。新人スーパーフライヤーズとしては試さない手はありません。朝の地震の影響でやや後れて成田に到着したのであまりゆっくりできなかったのが悔やまれます(なお予定外に京成スカイライナーを使いましたが。車内で無線LANが使え、電源もあるのでよかったです)。なお、GWはもうピークは過ぎており、チェックインカウンターも保安検査もガラガラだったので、そこはANAの特典は使いませんでした・・。
ANAラウンジは広くていいですね。やきそばやらいなり寿司やらデザートやら食べ物があるところが国内線ラウンジと違うところです。電源のある席がたくさんあるので、一仕事してから行くことにしました。
ちなみに、空いているとのことでプレミアム・エコノミーにアップグレード!。快適な空の旅を堪能させていただきました。JFKまで12時間のフライトでしたが、思ったほどキツくありませんでした。


1. 空港からの交通
JFKの7番ターミナルに到着(UA, 全日空)。携帯電話を見ると、Nexus5(eMobile)もiPhone(au)もガラケー(Softbank)も全部AT&Tとローミングして電波を拾っているようです。ひとまずOKかな。
出口でシャトルバスのおねーさんらしき人から"May I help you?"って聞かれたので「マンハッタンに行きたい」ったら「これこれ」って。
$16で、マンハッタンのグランドセントラル駅経由ブライアント公園(42st, 5th ave)行きのシャトルバスに乗れます(手持ちのガイドブックには書いてないパターンだな・・多分、乗り換えがあるので避けたかな?)。道路が混んでて、終点まで1時間以上かかったと思います(ちゃんと測ってないけど、渋滞してたから・・)。ブライアント公園からはミッドタウンのホテルにシャトルが出ているらしいですが、私の場合は近いので歩くことにしました。タイムスズスクエアのすぐそばのホテルでしたので。
「2つめのブライアント公園で降りろ」と言われたのですが、他のターミナルいくつか回ってから行くので、正確に2つめではありません。ま、みんな、グランドセントラル駅かブライアント公園のどちらかで降りるので、わかります。結局終点ですし・・。

2. パソコンショップ
Best Buy midtown manhattan
まぁ、雰囲気的にPC Depotって感じですが、一通りのものがそろっていますね。1Fには携帯・スマホやらそのアクセサリ。パソコンは地下です。もちろんMacもあります。

3. 本屋
Barnes and Nobile 5th Avenue, New York
日本で言う中規模の本屋さんです。地下には子供の本や技術書、その他専門書、旅行案内書など。1Fに雑誌やビジネス書、文具など、2Fに料理や手芸、漫画、児童文学、DVD、CDなど。品揃えは結構ありますね。一応、コンピュータ書籍の棚もありました。

4. Apple Store
Apple Store 5th Avenue
同じ5th Aveの並びではありますが、上の2つからは少し離れていて、徒歩だとちょっとあります。写真のガラスの塔?が入り口で地下におります。ただ同じサンプルがたくさんあるだけなのですが(Best Buyで見るのと変わらないかな・・)、でもとても混雑していました。日本のApple Storeも行ったことないのにNYは行くという・・。

5. T-Mobile
T-Mobile 57th St, 7th Ave
ビルが工事中でわかりにくいのですが、7th Aveから57thをセントラルパーク側の通りに入ると2つめのビルの1階でした。他にもっと分かりやすく近い店があるのかもしれませんが・・ちょっとうまく探せず・・(後でググったら、もっと近くにあった (46th St, 6th Ave)わね・・日本の小さい携帯ショップみたいなもんですから、意外とあちこちにありますが・・)。
他の携帯電話会社ではプリペイドと言えば携帯電話機になってしまうようで、SIMだけ欲しい場合はT-Mobileになるらしいです(とググったら書いてあったから信じた・・)。
ここでは、eMobileで買ったNexus5にプリペイドのSIMカードを買ってみる、という企画です。音声がいるかどうかとか、データ量によって値段が違うが、30日のプランが3つ提示されたので、一番安い音声付きのプランにした$60。これにSIMカードが$10と、日本に電話するには国際電話のオプションがいるらしく$10。消費税併せて$87.10をクレジットカード(VISA)で払いました。SIMはものの数分で開通しました。今回は4日間の滞在なので、携帯会社のデータローミングでも大差ないとは思ったのですが、「やってみたかった」ということです。これでもう一台の方(iPhone)のデータローミングをオフにできます。
もらった紙には、データは3GBでLTE対応でテザリング込み、国内電話無制限、国際電話は固定電話のみ(携帯もOKにするには更に$5って言われたと思う)、テキストメッセージは無制限、と書いてあります。
 【次回からの作戦】日本からの出発時点で、ガラケー(営業用電話なので、日本から転送でしょーがない)は音声ローミングだけOKにして持っていく。スマートフォン(SIMフリー機、通常電話には使用しない)はデータローミングはオフにしておく。現地についてから、T-MobileですぐSIMが手に入ったら入れ替えて使う。こちらは、現地電話用も兼ねる。SIM入手前にどうしてもデータ通信の必要が出てくれば、仕方なくデータローミングを行う・・・こう決めておけば、無用な支出を避けられますね。(iPhone(au, プライベート用)は、今回データローミングを切っただけですが・・持ってこなくてもよかったかな・・と思います)

かなり歩いてくたくたになったので、

6. 地下鉄
で帰りました。一駅ですが。$2.75です。$3入れておつりをもらう。券売機は、まず説明を読んで選択ボタンを押してからお金を入れます。日本の癖で先にお金入れようとして入らず、3回くらいやってたら笑われてしまった・・。

7. コンビニ
そういえば、いわゆる「コンビニ」を見かけなかったなぁ。ホテルにはひげそりやら歯ブラシがないので・・(自分は持っていったからいいけど)。デリカテッセンはたくさんあるので、食べ物は買えるけどね。デリカテッセンもほとんど個人経営で、チェーンはSubwayくらいかな・・水やスナック、歯ブラシはWalgreensにあった。タイムズスクエアの南端、交番の裏にあります。場所的に便利ですね。


さて、量が多くなったのでまた後日追記します。
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ここから追記

【ユニオン・スクエア編】
グランドセントラル駅まで歩いて、

1. バス停の確認
をしました。JFK行きのバスですね。こちらの場所に行って確認。
それはいいのですが、グランドセントラル駅のエキナカにApple Storeがあったのです。ちょっとびっくり。 思わずオネーさんに「え?ここApple Storeなの?」って聞いてしまいました。
その後、地下鉄でユニオンスクエアに移動。券売機には日本語表示があったのでちょっとびっくり。公園自体はまぁ、小さい公園ですね、で終了ですが。

2. Barns and Noble Union Square
5th AveのBarnes and Nobleよりずっと大きいので品揃えがいいです。

3. Strand Book Store
日本でいうブックオフみたいなもんか。B&Nよりも品揃えは多く、おびただしい量の本が天井まである書架にぎっしりと詰まっている。中古書の方がメインかな。

4. Paragon Sports
スポーツ用品店です。テニス用品を見ましたが、品揃えは日本とあまり変わりません。あえて言うと、ラケットの種類が多くて、他が少ないのかな?

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復路について

1. シャトルバスの乗り場まで確認しておきながら、雨のためくじけてタクる。
$57+TIp也

2. Terminal #7、British Airways(英国航空)のカウンターにANAの表示が

3. もちろんスーパーフライヤーズの特権を行使しビジネスクラスに並ぶ。

4. 出発3時間前にチェックイン開始。プレミアム・エコノミーへのアップグレードをオファーされた!やった!ただ、通路側がなく、窓側になったのだけは残念。トイレに行きにくいから・・

5. British Airwaysのラウンジへ(ANAの自前のラウンジはない)。
アルコールがない?。食べ物もシンプルだ。でも、広くて立派だ。それに、ビジネスセンターもある。お酒は元々飲まないから、ま、いっか。ANA便の顧客を意識してか、おにぎりなんかもある。

6. 搭乗ゲートは、ビジネスクラスのコースで。エコノミーに並ばなくてよかった。ボーディングパスには表示がなかったせいか、入り口でSFC提示を求められた。


* あれ、英国航空ってOneWorldではないの?と思いました。同じスタアラのUnited Clubが同じターミナルにあるのに?。空いてるから、とか、そういう理由でしょうか?同じOneWorldのJALは、別のターミナルだし・・実利を取った、という事かな。

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今回は仕事で来た訳で、観光に来たわけではありません。また、仕事が忙しくてあまり研究している時間もとれず、ガイドブックもほとんど読まずに来ました。それでも楽しめた感じはしますが、結局、ミッドタウンとユニオンスクエアしか行ってない。ガイドブックを見て、「ここ!」ってところもなく・・バーも行ってないし(お酒飲まないし・・)、ジャズも行ってない・・(一人で行っても・・と思うし、東京だって行かないのに・・)。頑張ればもう少し行けたかもですが、ま、いっか、って感じですね。この辺、女性の方が貪欲に回るんだろうな。

今回、上にいろいろ書いたようにANAのスーパーフライヤーズ特権を行使しました。これ、一度味わうと止められませんね・・・。頑張ってステータスを維持しようとする気持ちがわかります。私の場合、今年はプラチナクラスです。来年、もし、ブロンズに落ちたり、ステータスがなくなった場合、ラウンジなどは続けて使えるとしても、アップグレードなどがどう扱われるのか心配になりました。


あと、一つ気になったのは、トイレですね。公衆トイレを全然見かけなかったのと、お店でもトイレらしき表示を見なかった。みなさんどうやってしのいでいるのでしょう?。適当なお店で借りるのかしら?。参考記事があったのでリンクしておこう。




Friday, May 2, 2014

配偶者控除の廃止について

安倍政権で配偶者控除が話題になってから、議論が熱いようだ。

  • 廃止賛成の人の論点
    •  日本国憲法で勤労の義務があるのだから、働いて当然で、働かない人を優遇する理由はない
    •  所得税は個人にかけるのが当然。控除を受けたければ、働いて基礎控除を受ければ良い話で、健康で働ける専業主婦の分の控除は不要ではないか。
  • 廃止反対の人の論点
    • 同じ所得であれば夫婦共働きよりも専業主婦世帯の方が税額が高く、優遇されていない
    • そもそも、夫婦は同一生計であり、生活会計がどんぶりである。担税能力は、豊かさに応じて課税するわけだから、2人合算で計算する方が合理的ではないか

私は個人的には後者なのですが(家内は扶養ではないので恩恵は受けてないのですが)・・前者の方がなぜ廃止に拘るのかを考えてみました。よく言われるのは、

  • 単純に高所得者が優雅に暮らすのがおもしろくない
 という事ですが、これは結構ありそうです。で、もう一つ気がついたことがあって、

  • 廃止派の人達は「労働による所得である事を前提にしている」
 という事です。「個人に対して課税すべきだ」と声高に言う人は、「労働者ではない」人達の生活実態を全然想定してないですね。考えてみれば、労働者は、

  • 労働力を売ってその対価として給料をもらう
  • 労働法によって、労働の対価は「会社の指揮命令下で仕事をした時間に対して受け取っている」
  • 従って、労働は家庭とは切り離されており、夫婦の相互の貢献は直接的には関係ない
  • というわけで、給料は原則100%大黒柱がその知見と努力で稼いだものであって、夫婦で協力して築いたものではない
  • だから、専業主婦を養うのはソイツの勝手なので、控除など認める必要はない
という理屈なんだと思われます。そして。

  • 「働く」=「賃金労働をする」
と勝手に決めています。しかしながら、自営業者の生活実態は全く異なります。例えば、ある小さい八百屋を想定しましょうか。

  • 八百屋「やおはち」は、自宅兼店舗で経営されている
  • やおはち、の店主(経営者)は夫であり、収入は夫名義の口座で運用する
  • ただ、妻は客商売がスキではなく、専業主婦である。そのため給与はない。
  • 夫が朝、市場に仕入れに行っている間、妻が家の掃除のついでに店の掃除をして開店準備をする(専業でもそのくらいやるでしょ)
  • 11時に開店して店を開く。妻は店には出ない。
  • が、夫がトイレに行く間と食事の間、仕方なく店番をしている
  • また、夫が接客中に電話がかかってきたら、対応する
  • 夫が接客中にたまたま店にいったら、別のお客様が来たので対応する
  • 夫は外出できないので、妻は買い物のついでに郵便局や銀行の用事を代行する
  • 夜、夫が店を閉めて片付ける。その間は普通に家事をするが、夫が風呂に入っている時などに電話があれば対応する。
  • 税理士の先生が訪問されたのでお茶を出す
  • 夫が熱を出して動けない時、店は休むが、妻は最低限の外とのやりとりを代行する・・
自営業家庭では、妻は例え仕事に参加してなくても、労働者家庭では考えられないくらい夫の仕事を支える事をやっています。この人達には当然ですが、控除が適用されるべきです。大きな会社であれば、人を雇って、シフトを組んだりしてやることを、妻は人知れず支えているのです。上に書いた例では妻は直接仕事はしてないですが、夫を支えています。普通の会社なら、例え電話番でも給料を払って雇わなければやってもらえないことですが、妻は普通は無料でやってくれます。
給料を出せって?理屈の上では可能ですが・・上記のようなちょっとした手伝いくらいだと、給与計算する手間の方が大変で、非合理的です。逆に、がっつり貢献する前提で給料を出す場合や外で稼いで収入を得る場合は扶養から外れるので問題はなくなります。例に挙げたのは小さい八百屋、ですが、多くの自営業や零細業者では、このような「夫婦で支え合って生きる」のが当然のように行われているわけですし、それを超えるパターンはちゃんと別々に課税されるシステムになっています。

所得税が「労働者のための税制」なら、個人に課税!に反対する理由はないのですが、所得税は広くあまねく、「所得のある人」に対すて課税するのです。人数は多いとは言え、労働者は「所得を得る一形態」に過ぎません。労働者に合わせて所得税の設計をするのはオカシイと思います。労働者にも所得税を適用する限りは、給与所得者控除のような労働者対象の補正をする方が望ましいでしょう。

ただ「労働者だけ配偶者控除を廃止する」となると、それはそれでブーイングが起きそうです。

いろんなところで、議論に参加するのですが、労働者の皆さんはどうしても、個人事業主や零細企業の「公私混同が当たり前」「家族も協力するのが当たり前」という事情が理解できない(ハラに落ちない)ようです。私個人では、労働者は法律でがちがちに保護されているように見えるのですが、当の労働者自体は自営業者などに比べて損をさせられている(例えば重い税金を負担させられている)と信じている人が多く、議論がかみ合いません。私自身も10年と少し大きな会社や外資系企業でサラリーマンをやってたので、労働者としての発想も理解できます。が、一方で「いかに労働者が世間を知らないか(過去の自分が、ですが)」もわかるので、多分、「労働者の配偶者控除を止めよう」というと猛反発されそうです。

* 2014/5/5 修正。サラリーマン、労働者、給与所得者、とバラバラに記述していたのを、なるべく「労働者」に統一した。給与所得者は、会社役員も含むため、運営実態が個人事業主と変わらない3ちゃん経営の零細事業者が含まれてしまうし、サラリーマンではアルバイトや派遣労働者などの非正規労働者が外れてしまうため。なんとなく言葉のイメージ的には「サラリーマン」の方がしっくりくるんだが、「個人に対する課税が実態や法律上の定義と合っている」のは、「労働者によって賃金を得る」人たちなので、「労働者」としました。

** 2014/5/18意見修正
サラリーマンの場合、所得の帰属が単独にしかならない事を理由に、会社員の場合は配偶者控除を廃止してもいいのではないか、と書きました。が、生計の同一性を考慮すれば、やはりサラリーマン家庭であっても配偶者控除の存在に合理性がある、と考えるに至りました。ただし、いわゆる扶養内パートの人が受けている「基礎控除」は、夫の配偶者控除と重複するため、どちらか一方にする選択になると思います。そうすると、103万円の壁、は38万円減って、65万円の壁、になるのでしょうか。