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Saturday, April 17, 2021

NHKの語学番組再編について

 この春、NHKの語学番組が再編された。

正直なところ、地上波にしろBSにしろほとんど見ないので、昨今のサブスクと比べて受信料が割高に思えて仕方がない。ネットに課金するとかアホなことを言っている人もいるようだが、「国家として」必要な部分は最低限残して(ニュースと解説、国会中継、選挙、災害時の放送くらいか)国費で運営し、残りは有料のサブスクにしたらどうかと思ってしまう。

NHKの職員の立場で見れば、準公務員のような立場で高給をもらえる立場を脅かされたくはないだろう。しかし、そもそも「自分たちの存在意義は何か」「自分達が公共の立場でお金をいただける根拠は何か」を超えて事業を拡大したり、増やしたりしていいものか、常に考えておく必要がある。そのため、理事は全て公選によるべきだと思いますね。受信料一口あたり一票、とかで。

 それはともかく、私が受信料を(渋々納得して)払っている 根拠の一つは「良質な語学番組」にあったのだが、それが大きく質が下がって非常に残念に思っている。と、同時に、語学学習者として一つの光も見えた気もするので、それについて書いてみたい。

 まず、2021春の改悪ポイントについて、

  • 英語について、「実践ビジネス英語」がなくなって上級レベルの講座がなくなった
  • 中国語と韓国語について、中級レベルの「レベルアップシリーズ」がなくなった

この2つが大きい。NHKの語学番組は良質なコンテンツであるという評判が高く、国際的に活躍するビジネスマンの多くがお世話になってきたもので、日本人の国際化を支えてきた分野である。これを後退させるというのは、どういうことだろうか。伝統芸能はまだしも、お笑い番組やらドラマなんかよりもずっと「公共的には」意味があると思うが。

しかし、光も少し見えた。

  • この「実践ビジネス英語」は季刊のムックとして登場した

のだ。これは元々の視聴者である我々には事実上番組が継続するのに等しく、とてもありがたい措置だ(放送いらないじゃん、という話はおいといて)。この手が使えるのであれば、改悪・後退をかなりの程度緩和できそうな気もする。

  •  過去に放送した「レベルアップ中国語」「レベルアップ韓国語」などを、そのまま、または再編して季刊のムックとして出していく・・これで放送自体はなくなっても勉強が続けられる!
  • ネタが尽きると思うが、ネタが尽きたら、放送なしで新シリーズを作って出していくことだってできる。
  •  で、ここからなんだが、放送なし、で出せるんであれば・・今まで放送してなかった言語でも出せる、ということだから・・
    需要のありそうな他の言語、タイ語、インドネシア・マレー語、ベトナム語、ヒンディー語などでも出してみたらどうだろうか。
  • このように、学習者を「放送の枠の外側」でサポートすることができるのであれば、放送自体は薄くなっても良い。例えば、再放送は要らない。「聞き逃し」機能でネットで聴けるのだし。また、英語以外だと半年とか3ヶ月のタームで番組があるが、「通年で一枠」を必ずしも取らなくても良い。ある放送枠は、前期ベトナム語、後期タイ語、というのもあり。で、後日ムック本を出してもらえるなら、学習者としてはたとえ放送の時期に聞き逃しても後で勉強できる。
  •  先にも書いたがNHK語学番組のクオリティは高く、一流だ。だから出せばそれなりに需要があるんじゃないかと思う。
  • 書籍ではなく、季刊というのがミソ。番組派生で優れた書籍も出ているのは知っているが、学習者にとって書籍と雑誌は違う。「番組っぽく」なっていることが重要。
 
組織防衛に走って、納得感のない料金を無理矢理徴収することを考えるのではなく、「優れた番組」を作って、受信料の支払いを納得させて欲しいものだ。