Labels

hotel (65) mac (49) ubuntu (27) English (10) chinese (9) travel (6)

Tuesday, August 10, 2021

中級の語学

 以前からやっている中国語学習。途中ブランクがあったりしたが、今、やっと、中級の学習に本格的に入った感じがする。というのも「キッツーイ」からだ。

 今、以前購入した中級テキストのディクテーション(聴いたものを書き取る)を中心にやっているのだが、ともかく新出の語彙が多く、それこそ1行に何度も知らない語彙や言い回しが出てくる。また、知っている語彙の場合でも、知らない組み合わせ((名詞)を(動詞)する、ようなケースでの英語でいうコロケーション)が多数、手を焼いている。漢字も単に簡体字というだけでなく、日本語には存在しないものや日本語では使わない用法がぐんと増えるので日本語の「想像力」で補えなくなってくる。

1レッスン”たった"1分半から2分程度の話を書き取り、「一度は」ちゃんと書き取れるまでやる、としてるのだが・・・エネルギーも時間も大変かかる。中国語の場合は漢字で書くので更に。

その前にやってたテキスト(これも中級向き。2冊やった)ではここまでキツいことはなかった。多分、中級といいつつ、初級のテキストに毛が生えたようなレベルだったので、「基礎の発展」くらいのものではなかったか・・。

ところで、なぜ「中級」になると急にキツくなるのか、考えてみたい。

まず入門級の場合、1番のハードルは「始めること」と「馴染むこと」そして「続けること」。見たことのない文字、アルファベットの言葉でも「ちんぷんかんぷん」なものはストレスフルだ。そのストレスに耐えて、継続的に学習を続ける、というのが最初の関門だ。で、初級の到達点は、「基本的な単語を覚える」「最も基本的な文法や語彙を理解する」 で、これができると、(頭で考えながらだが)「水が欲しい」「駅に行きたい」「これはいくらだ?」という最低限の発信ができ、相手がとても優しくゆっくりと言ってくれれば、「なんとなく、何を言っているかわかる」、という状況になる。

 次に初級に移る。初級では、文法や語彙を膨らませる。文法事項は基本的なものはだいたいカバーし、語彙も基本語(言語にもよるが2000とか3000)をカバーする。初級で学んだ内容が身についてれば旅行に出かけて、道を教えてくれた人や物を買ったときに店員さんと簡単な会話を楽しむことができるだろう。「これからどこにいくの?」「いつ日本に帰るの?」「友達が東京にいるんだ」などという会話ができる。ただ、初級では、頭の中ではインタプリタだ。見て、聴いて「日本語を介さず」にパッとわかる、という訳ではない。将棋で言えば「駒」と「コマの基本的な動かし方」がわかったレベルだ。そして、相手はこちらの語学力に配慮して「簡単な表現で、単純な文書で、優しい単語を使って」話してくれる必要がある。でないとわからない。

さて、中級に入ると、それでは済まない。目標点が「現地の人と支障なく旅行だけでなく仕事でも会話できる程度」になる。相手が幼児に話すよう「ゆっくり噛んで含んで」話さず、多少スピードや言い方に気をつける、難解過ぎる単語は使わない、という程度の手加減具合で話しても概ね理解でき、相手の小学生くらいの返しができる、というものだ。これだとインタプリタだと間に合わないし、そもそも「駒とその動かし方」を必死で覚えたところで追いつかない。ルールの多くは初級で習っているので、中級ででてくるのは「例外」「特殊な使い方」「ルールに書いてるわけじゃないが、慣例的な使い方」。単語だって「最低限のコミュニケーション」で必要なレベルじゃなく、相手が普段の生活で使っているもので使用頻度の高い物をカバーする必要があり、そのため5000から8000と一気に増えるが、それだけじゃない。文章に出てくる多くの単語は初級までに習った単語であり、新しく出てくるのは利用頻度の低い単語(つまり覚えるのが大変)。また、同じ意味だがニュアンスや使い道(文語口語の違い、丁寧な言葉と普通の言葉、ポジティブ、ネガティブのニュアンスの違い、その他細かい相違)の違う単語が多く出てくるので、単純に意味を覚えても使えない。そして「日本語と対で覚える」方法が通用しない。

 ということは、中級になると初級の勉強法の延長では通用しない、ということだ。初級レベルを完了しているのにそれ以上に語彙を増やしてルールをちゃんと学んでも、効果が低い、ということだ。つまり、ローギアでアクセル踏んでるだけなので、だんだん効率が落ちてくる。中級になったら、どこかのタイミングで「ギアアップ」する必要がある。

それはなんだろうか。多分、"目標レベル"(幅があるが、小学校中学年から中学レベル)の言語の教材で「量」をこなすことだ。たくさん読み、たくさん聞く(できれば話す、書く方も)。これはキツい。今まで100ピースのジグソーだったのが一気に400とか600のピースになるようなもので、その上各々のピースが難しいのだから。ピースをはめてもはめても、なかなか全体像が見えてこない。つまり中級の学習者はスランプに陥って、やってもやっても学習効果をなかなか感じられない、ということだ。せっかくギアアップしたのにスピードアップを感じにくいのは車とは違うところなのだが、着実に目標点には近づいているはずなのだが。

と、ここまで持論で書いてみた。いま、まさにキツい訳で、それを正当化して自分で納得させるために書いたわけだが・・・そう遠くない将来、この持論が正しいと証明される日がくることを期待している。

 なお、英語で見てて思うのだが、多くの人が初級の勉強法のまま中級に入り、しばらくして脱落し、初級から中級に移行しないまま学習を終えて(止めて)しまう。理由は二つあろうだろう。一つは、学習法をギアアップせずに初級の延長をひたすら頑張り、息が切れてしまうこと。もう一つは、学習法は「量の学習」に移行したのはいいものの、はやりその「量」がキツくて息切れしてしまったもの。どちらにしても止めてしまったのは同じなのだが、後者の場合は再開すれば克服できる。量を乗り越えさえすれば、いいからだ。まあ、先のことはわからないが、たとえ挫折するとしても一旦は学習法を切り替えてやってみるのがいいよね・・。

 

 

No comments: