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Friday, June 5, 2020

サプライチェーンの中国依存をやめる?

ネットでは、サプライチェーンの中国依存をやめて、工場を日本に戻すような話がされている。本当なら素晴らしいことだけど、できるのかしら?。

そもそもなぜ企業は中国に製造を依存するようになったのか。それは低コストだから。そしてなぜ低コストなのか。独裁国家である中国が、人民を低賃金で奴隷労働のような環境で使役し、また、環境負荷を考えず公害も垂れ流しの状態でコストを抑えて製造する仕組みを構築したからではないのか。だとしたら、日本に工場を戻したら、中国で製造を続けるライバルに勝てっこないではないか。日本はそもそもあらゆるコストが高い。人件費も能力の割には高いし、そもそも使用の条件が厳しくて管理が大変だ。。単純労働で時給1000円の国で物を作り、管理コストもかかるとなれば価格競争力は持てない。少なくとも大量生産品は。

機械化すればいい、という人もいる。ではその同じ機械を中国に設置したら、もっとコストパフォーマンスがいい、ということになる。ロボットに頼ればいい?。ロボット動かすには電気がいるけど、日本の電気料金はバカ高く、国際競争力はなさそう。どんな国でも利権があって、それに取り憑いて美味しい思いをしている連中がいる。そいつらがコストを押し上げる訳だが、日本だってそれなりにある。日本に工場を移しても採算が取れない製品が多数ではないか。

結局、工場は日本に戻らずベトナムやフィリピン、インドネシアに移ることで落ち着くのだろうと思うのだが、一つ問題がある。以前から「チャイナ・プラス・ワン」って言って、過度の中国依存に対する警鐘は発せられたきた。これで問題になるのが、「日本人の外国語学習も中国語に集中して来た」事だ。中国語は英語に次ぐ学習者がいる(かなり差はあるが)。フランス語やドイツなどよりも多いということだ。
「チャイナ・プラス・ワン」を実現するには、「現地事情に明るく、橋渡しになれる人材」が必要となる。ところが、その入口である語学の部分での学習環境が非常にプアではないか。ASEANの言語はほとんど大学の第二外国になっていない。その上、「優れたレッスンを気軽に始められる」NHKの語学シリーズにもない。だから、本屋に行っても英語中国語韓国語ドイツ語フランス語スペイン語あたりまでは書籍があるのだが、それ以外はなかなか少ない。

もし「チャイナ・プラス・ワン」なり「中国アウト・アジアシフト」が国家戦略と言うのであれば、環境を作ることも必要ではないか。大学の第二外国語としてのコース採用を推進したり、NHKの番組を作るだけでも全然違うだろう。どの言語が有用なのかは難しいが、少なくとも、ベトナム、タイ、インドネシア(マレーも?)、フィリピン、ヒンディー、ベンガル、ビルマなど人口の多い国の言語をカバーする事は期待したい。
それらの国とパートナーシップを組んで、(コストを犠牲にしないで)現地の人たちの生活水準を向上させ、持続可能な生産拠点や場合によっては開発拠点とし、Win-Winの形を模索するのが日本流としてあるべき姿ではないか。






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