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Saturday, June 6, 2020

原因を作っておいて自分で解決しろと


中小機構というところのCM動画を見た

脱力するね。原因を作ってるのは制度だろうが。事情を知らないサラリーマンは「自分の仕事が大変なのは会社のせい」と思っているだろうが、仕事ができない従業員を企業に抱え込ませてこの状況を作り出しているのは「制度」だ。

自分も若い頃不満があった。いろいろ仕事を指示されるのはいいのだが、そのうち「他人の失敗の後始末」をやらされるようになった。自分の仕事を一人前こなした上に、だ。当時はプログラムの開発をしていた。与えられる仕事量は楽々にこなせたのだが、他の同期たちはそうではなかった。プロジェクトが厳しくなってくるに従って、もともと他人の担当だった仕事が振られてきたり、 他人がやって上手くいかないものの修正を命ぜられるようになった。ものすごく不満だった。会社に。自分の担当はこなしたんだから役割は果たしている、なぜ給料も変わらないのにできないやつの後始末を押しつけられねばならないんだ!と。

まあ、後日わかった。会社にとっては「仕方ない処置」だったんだ。一度雇ったら向いてないと分かってもクビにはできない。使っていくしかないんだ。でも既に人はいるので新たに人を雇うこともできない。だから、仕事ができる人間にやってもらうしかなく、負荷が集中する。 会社が人手不足になるのは、単に「デキル人間」が不足しているだけで、それは「デキナイ人間」を排除することができない(法的に許されていない)ので、会社として手の打ちようがない。IT化なんかしてもあまり意味はない。できない人間ができるようにはならないからだ。IT化して効果があるのは定型のルーチン作業の効率を上げたいときだけだ。

企業の生産性を向上させる最大の切り札は社員だし、最大の障害も社員だ。そうなってしまうのは、終身雇用で人の入れ替えが極端に制限されてしまうから。そこをなんとかしないと、この傾向は変わらないだろう。
米国のように解雇規制が緩いことろの場合でも、仕事はやはりデキル人間に集中する。しかし、だ。それに応じて処遇されることが多いので不満が少ない。なぜ処遇されるか、といえば、転職されたら困るからだ。転職するのが当たり前の米国で優秀な人材にはそれなりの処遇をしないとすぐライバルに取られちゃう。

自分の仕事を大変にしているのは、自分を守っている法律(判例)だというのは皮肉なもんだ。まあ、ほとんどのサラリーマンにはピンと来ないだろうけど。



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