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Tuesday, February 9, 2021

JOC森会長だけ、が問題ではない

 JOC森会長の失言で大騒ぎになっている。「女性は話が長くなる」という事を言ったとのこと。

まあ、実際「女の話は長い」と思っている人は多いだろう。女性はいい気はしないだろうがそれでも「まあ、そうよね」と認める人は多いだろう。森会長は「正直」だっただけだ。それに彼が「女は話が長い」という感想を持つのは自由だ。Youtube見れば、「女性の話は延々とあった事をオチもなく話すだけ」「それを聞いてあげるのが夫や彼氏の仕事」なんてネタ大量に上がってる。女性の上司の下で働く場合、「途中で話の腰を折らずに最後まで我慢して話を聞く」事が強く勧められてもいる。別に森会長でなくても「女性の話は長い」と思っている人はたくさんいる。

ただし、失言であることは間違いない。公人として話すのであれば、ポリコレに引っかかるようなことは言ってはいけない。「本音と建前」をちゃんと使い分けて「建前」で話をしなければいけない。それはそういう立場の人なら当然だろう。

森氏を擁護する声が大きいのは、森氏が有能だからだと思われる。 元首相としての影響力もあるし、各界とのパイプもある。森氏だって(ご自身の名誉欲などもあるかもしれないが)奉仕の気持ちもあって責任を引き受けているはずだ。ただ、オリンピックは「美しい理念」があって開催されているものなので、開催国の責任者がその理念と相容れない事を言ったらお終いだ。開催する意義がなくなってしまう。

なので、辞任は仕方がないのかな、と思う。今まで開催に尽力してきた貢献については惜しいとは思うが、仕方がない。会長職は退いて後方支援に回るのが良いだろう。

 ここでボランティアの離脱が問題になっているのだが。森会長の発言はキッカケに過ぎないと思う。自分自身もそうなんだが、そもそも昨年の時点で「オリンピックは延期ではなく中止」すべきだと考えていた。そこで間延びしてしまったのと、「開催を強行」するように見えて嫌気が出てきたのが一点。それと、ボランティア、いろんな人がいる。定年後のやりがいのためにやっている人、はいいのだが、「学生最後の思い出として」「子供が受験モードに入る前の最後の機会」「仕事のプロジェクトのタイミング的にちょうどいいから」「ちょうど単身赴任で東京にいるから」参加している人だってたくさんいる。「1年延びると事情が変わってしまう」人だっているのだ。だから、「去年なら頑張れたけど、今年はどうしよう」って考えている人にとって、今回の森氏の発言は「やーめた!」と倒すきっかけになってしまった。あくまでも私の感想だけど、こういうコロナの状況でなければここまでの反応ではなかったと思う。

そこに二階氏の発言が火に油を注いだ。「また集めればいい」って。実務的にはまた集めるしかないのはその通りだろう。しかし、ボランティアって、基本的に無償で「気持ち」だけしかない。その気持ちを踏み躙る発言であることは間違いない。タダ働きの労働力と扱われるのがわかっていて、誰が「大会に貢献しよう」なんて思うのか。もちろんそれでもやる人はいるだろうけれど、「(元々の申し込みには間に合わなかったから、追加募集があるなら)興味あったけど、やっぱり止めよう」と思う人はかなり出るだろうと思うよ。

「本音と建前」という日本文化があるというが、実は「建前」が下手なだけだと思う。知りうる限り欧米人だって本音と建前はある。しかしながら、建前は建前の世界でちゃんと一貫するようにしている。発言と行動が建前の世界で一貫、完結するよう少なくとも努力している(だからポリコレに弱い面もあるだろうが)。 本音は言わない。日本のは実は「建前」が非常に薄くて方便レベルか取ってつけただけなので、一貫性に欠け本音が透けて見えてしまうからダメなのだろう。責任者、と言われる人は本音は見えないように建前でちゃんと話ができる人でないと、特にオリンピックのような国際的な場では通用しないと思ったりする。

 

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