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Wednesday, July 22, 2020

使い捨てられる芸能人

最近、芸能人の政治的なメッセージ発信が話題になっている。検察庁法改正案について反対の意見表明をする人が出たことがきっかけだ。

芸能人が個人として支持政党があったり政治的な意見を持つのは自由だろう。表明するのも自由ではあるが、それによるネガティブな影響も甘受しなければならない。自由に意見を表明しても何の影響も受けない「はずがない」だろう。

これが芸能人ではなく「会社」だったらどうだろう。会社だって「人」なのだからどんな意見を持っても自由だろうし、表明するのも自由だ。しかし、「私たちは動物愛護の観点から動物性由来の材料を使わない」が肯定的なブランドイメージを作るのだから、逆もある。それまで普通に商売していた会社が突然「我が社はルールに従って製品を作っており、動物愛護には関心がない」「法に認められている食品添加物を積極的に使用している」と表明したらどうなるだろうか。不買運動を起こす奴が出てきても不思議はない。そのため顧客が減り売り上げが減るリスクを負うのは企業だ。

芸能人も同じだ。芸能人は庶民の憧れであり目標でありロールモデル、と見ている人も結構多い。その生き方、生き様や信念に共鳴してファンになる人もいる。それでお金を稼いでいる訳だ。逆にいえば、それによって離れるファンがいてもおかしくないし、自由な意見を表明した結果ファンを失ってもそれは当然の話だ。だから音楽や芸能と関係のない「政治的な意見表明」は避けたほうが賢明だ。ブランドイメージに少なからず影響を与える恐れがあるからだ。

なのに、今回は多くの芸能人が意見表明をしている。きゃりーぱみゅぱみゅが、話が「降りてきた」と口を滑らせたそうだ。友人同士の話で「降りてきた」などという言葉は使わないから、芸能事務所からの指示(あるいは指示に近い依頼)と考えて良い。芸能事務所がこんなリスクの高いことを自分の意思で進める訳がない(芸能人のメージ戦略にことさら気を配るブランディングのプロ達だから)ので、何らかの「圧力」があったと考えるのが自然だろう。一人二人なら個人の暴走だが今回は規模が違う。

誰の圧力かはわからない。しかし、言えるのは意思表明に参加した芸能人のブランドは毀損される。芸能人に見返りがあるのか?。多分「仕事を干されかねない」と恐れて協力したんだろうが、ファンが離れたら芸能人にはダメージが大きい。ブランドイメージが損なわれたら仕事も減りかねない。「結局、使い捨てられる」だけだ。

だから、芸能人の皆さん。「話が来たから」と気軽に協力するのではなくて、「ブランドに色がつく」「それによって離れるファンもいるかもしれない」というリスクを重々承知の上で発言すべきだと思う。でないとせっかく協力しても「使い捨てられる」だけになりかねないから。政治的意見を持つのは自由だし、それを表明するのは自由だ。だけど、それを理由にあなたのファンを止める人出ても、それもその人の自由だ。

政治的発言はくれぐれも慎重に。

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