このコラムはちょっとズルだ。「筑波大学の学生」という「優秀な人材が困っている」というエピソードを持ち出して全学生を救済しようというのだが、それは納得感がない。筑波大学は日本でもトップ数パーセントの人しか入れない難関大学だ。その難易度は日本の国立大学でトップ10に入るかどうか(旧7帝大、東工大、一橋に次ぐレベル、だいたい同レベルには筑波の他、横国、千葉、神戸などがある)というレベルだ。誰もが優秀だと認めるレベル、ということだ。こういう人が困っているなら「救済しよう」という気持ちにもなる。日本の将来に役立ってくれるだろう、と期待できるだからだ。
ところが大学生の9割はこのレベルには到達しない。だからアンフェアだ。特にFランだ。コメント欄にあるように「Fランの学生は救いたくない」というのが多くの人のホンネだからだ。Fラン.comというサイトがあるが、ここが公開されている大学別の年収データや就職データを集計している。それによると、
- Fラン大卒は生涯賃金で高卒に負ける
- その理由は高卒と同じ仕事に4年遅れで就くだけだから
こういう大学にハコモノを維持させるのはなぜか?。官僚やマスコミ関係者が数多く天下っているというのと関係があるのか?。
さて、本題はここからだ。確かに費用対効果の面でFラン大に補助金を突っ込む意義はない。しかし、世の中には大卒しか挑戦できない資格もあるし、高卒では不利になることもある。中には偏差値で測れない分野というのもある(芸術系など)。じゃあ、「費用対効果に見合うようにすればいい」んじゃないか?ということだ。既にある仕組みを使えばいい、
- 定時制、通信制
- 学生は、 学費を大幅に下げることができるが、大学生の身分を維持し、大卒になれる
- 国は補助金をたくさん用意する必要がない
- 学校の存続
- 教員の職が減る(公務員の天下りポストが減る)
- 偏差値で測れない分野をどう扱うか、という課題は残る
と、主に学校側(や、天下る人)の問題で、生徒に不利はあまり(最後のだけはあるが)。いわゆる「キャンパスライフ」は変わってしまうが、それは大きな問題だろうか。キャンパスライフに必要な「ハコモノ」に大金がかかっているのだが、それが維持できないのだから仕方がないだろう。
国内に余力があった時代は、天下りの役人の面倒を見る仕組みもなんとかなったんだろうが、コロナもあるし、余力がなくなった訳だ。それに今後も当分は景気も回復しない。国には「天下りポスト」という利権は一旦諦めて多くの国民のメリットになる対策を考えて欲しい。
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